コラム218号 掲載

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◎今月のコラムは、10月発行「岩手産業保健総合支援センターだより」に掲載している当センター【産業保健相談員 佐々木 誠先生】のコラムをご紹介します!

健康のカフェ探し

産業保健相談員 佐々木 誠(労働衛生関係法令)
【社会保険労務士 佐々木社会保険労務士事務所】

 珈琲の香りが好きだ。特に、珈琲豆の封を切る瞬間がいい。豆の種類によっては、開封されるのを待ちきれず、香りのフライングをしてしまうものや、袋を開けても縁にひそんでいて、奥ゆかしく薫るものもある。
 珈琲豆の香りの立ち方には個性があって楽しめますが、その香りの効能にも注目しなければならない。珈琲の香りには、「ストレス応答から脳細胞を守り、ニューロンの成長維持を促す因子を回復させる」ということが科学的に立証されているらしい。なんだかよく分からないが、つまりは、珈琲を嗅いでいればボケずに済むということでしょうか。
 しかしそれは、本題ではなく、重要なのは、珈琲の香りを嗅ぐだけで相手に対して良い印象を抱く効果があるということだ。つまり、相手を手助けしたいという心理が働くようなのです。
 ある統計によると、イスラエルでは裁判官による仮釈放申請承認率が、昼休み直後は65%だったのが、昼休み直前は0%だという。これは、時間帯で判断が変化するということで、脳が疲れると理性が枯渇し、判断は現状維持する方向に働き、仮釈放しないことになる。昼食により、脳はエネルギーを供給され、しばしの休息を得ることで活性化し、仮釈放の承認をすることになるのだという。
 果たしてそれだけでしょうか。確かに、昼前は脳が疲弊し、仮釈放を承認するのが面倒くさくなっているかもしれない。それだって、いくら脳が活性化しようが、鼻歌交じり(かどうかは分からないが)で仮釈放の申請書に承認印を押したりするだろうか。
 イスラエルでは約80%の人が毎日珈琲を飲むことから、承認に影響しているのは、昼食にとった珈琲によるものと主張します。珈琲の香りによって人助けをしたいとの優しい気持ちになっているのだから、温情深く仮釈放を認めるのも当然でしょう。
 待てよ、朝食にも珈琲を飲んでいるはずだから、朝の承認率も高いに違いありません。それが昼までには効力が薄れてしまうとしたら、そのタイムリミットは数時間と知れる。統計にはないが、夕方の承認率も悪くなっていると思われます。
 そこで気になるのは、インスタント珈琲にも香の効力はあるのか、缶珈琲はどうなのか、珈琲豆の種類や焙煎の度合い、焙煎後の経過時間によって効果・持続時間に差があるのか、これからの研究に期待するしかありません。
 ここで注目すべきは、珈琲の香りによって他人にさえ優しくなるのだから、自分自身にだって優しくなるということです。心がささくれ立っているときは、珈琲の香りを嗅ぐと宜しい。珈琲によって、心をケアできるとしたら、こんなに素晴らしいことはない。珈琲を飲まなくても、珈琲豆をミルで挽くだけで香りは立つ。それをハンドドリップすれば、より香りは深く広がる。手軽にできる心の健康法として推奨したい。
 たとえば、富良野の森で珈琲を淹れるようなことを理想としますが、考えてみれば、盛岡はカフェの街です。お気に入りのカフェを探すという手がありました。

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