コラム第115号 掲載

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 当センターの研修会でも過重労働による健康への影響については度々テーマとして取り上げていますが、厚生労働省では毎年11月に「過重労働解消キャンペーン」を実施しています。
  このキャンペーンに合わせて、全国の労働基準監督署では過重労働に係る重点監督を実施していますが、先日、厚生労働省から平成29年度の重点監督の実施結果が公表されました。

  重点監督の対象となったのは、長時間労働の過重労働による過労死等に関する労災請求があった事業場や若者の「使い捨て」が疑われる事業場など、労働基準法違反が疑われる7,635事業場で、その結果約3分の2にあたる5,029事業場で労働基準関係法令の違反が確認されたとのことです。
  主な違反としては、違法な時間外労働があったもの2,848事業場、賃金不払残業があったもの536事業場、過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの778事業場などとなっています。

 これらの項目で、当センターとして気になるのは過重労働による健康障害防止措置が未実施の事業場ですが、この項目の違反率を業種別に見てみると、一番高いのが接客娯楽業で21.5%、次いで教育・研究業で14.7%、商業12.3%などとなっています。最も違反率が少なかったのは建設業で3.8%となっています。
 また、監督指導の内容について、36協定で定める上限時間が月45時間と定められているにもかかわらす最長で月182時間の時間外労働を行なわせていたとか、満18歳未満の労働者(年少者)について深夜業務を含む時間外労働を行なわせていたとか、深夜業に従事させる労働者に対して6か月ごとの健康診断を実施していなかった、ストレスチェックを実施していなかったなどの事例も公表されています。

 今回は事業場が取り組んでいる長時間労働削減のための自主的取組事例も公表されています。好事例を参考に、長時間労働の防止に取り組んでみてはいかがでしょうか。

平成29年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果を公表
 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000204309.html

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