コラム155号 掲載

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「治療と仕事の両立支援」とは、「治療と仕事の両立」をしたい労働者への支援です。
両立支援を行う上での課題としては、「まだ、会社に該当する人がいない」等の理由で、両立支援への取組を始めるに至らない事業所が多いことです。また、大手の企業においても、両立支援の復帰プログラム等を作成し制度を充実させていますが、労働者が相談窓口や制度そのものを知らず十分に制度が周知されていないこともあります。

いざ、労働者が重篤な疾病に罹患した場合は、労働者は「病気で会社に迷惑をかけたくない」などの理由から仕事を辞めてしまう、会社側から暗に退職をほのめかされるなどの事案もあります。しかしながら、現在では医療の進歩により治療を受けながら就労が可能になる場合もあり、各種制度を活用しながらの治療と仕事の両立が可能になってきています。また、労働者の高齢化に伴い、就業年齢でのがん等の疾病に罹患する可能性は増加しており、誰にでも治療と仕事の両立を考えるときが来ると思われます。「困ったときはお互い様」の精神も必要です。

そこで大事になってくるのが準備としての取組です。
休暇制度、短時間労働などの勤務制度など会社として何ができるか、使える公的支援は何か、治療の必要な労働者から入手すべき情報は何かなどを整理しておくことが必要です。そこから、必要な手続き方法などを定め、管理者、労働者に周知、必要な教育を行い、お互いの理解を深めておくことです。つまりは、問題がない時期に、両立支援について考えるということです。

ところで、治療と仕事の両立支援ガイドラインの対象とする疾病に「糖尿病」が挙げられていますが、予備軍までを含めると相当数の事業場に、治療を含めた何らかの対応を行う必要がある労働者がいると考えられますが、糖尿病の治療において問題となっていることとして、患者が仕事が忙しいなどの理由により治療を中断することが多いとされていることです。結果として、病状が重篤化してからの治療の再開となり、体への負担も大きくなり、仕事にも大きな影響を与えることになってしまうことも考えられます。

「治療と仕事の両立支援」の取組は重要な活動です。より良い取組が行えるよう当センターの両立支援促進員がお手伝いさせていただきます。
次回は、両立支援を行う上での留意点について説明したいと思います。

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